臨床工学部
臨床工学部のご案内
医療分野において複雑・高度化する医療機器を、安全に管理運用する必要があります。それらの機器を専門的に操作及び管理する部門としてCE(Clinical Engineer)があります。主に生命維持に関する重要な機器を中心に操作及び保守管理をしています。当院では、平成3年からME機器中央管理化をし、病院全体の機器の安全性向上に努めています。また、平成26年より当直体制を導入しました。臨床工学技士数20名
ME機器管理業務
臨床工学部は3階中央部付近に広さ162㎡の部屋にてME機器中央管理を行っています。主な中央管理機器は、人工呼吸器・輸液ポンプ・シリンジポンプ・パルスオキシメータ・低圧持続吸引器・ネブライザーポンプ・超音波ネブライザー・その他の合計約520台を完全中央化にして管理しています。また、年2回の定期点検を行い故障機器の早期発見と安全性向上に努めています。それらの機器を院内修理して経費削減に大きな業績を上げています。修理機器の流れは、機器故障時の対応手順を参照し修理するか否かはME機器更新新基準フローチャートを基にして、機器購入から廃棄に至るまでのライフサイクル全般に関与しています。その他、病棟機器は除細動器、自動血圧計、患者監視モニタなど様々な機器も定期点検の対象機器にしています。
人工呼吸療法業務
院内で使用する呼吸療法に関する機器の管理・点検、院内スタッフの教育や在宅で使用される人工呼吸器の機種選定・管理、介護されるご家族への機器教育など人工呼吸器に関わる全ての業務を行っています。院内には、人工呼吸器10機種22台、酸素療法で使用する機器6台を臨床工学部で一括管理しており、安全に使用できるよう病棟へ貸し出す前に機器の点検を行なっています。また、病棟で機器が使用された際は1日1回使用中の確認も行なっています。他にも呼吸ケアサポートチームの一員として、週1回の呼吸ケアラウンドに参加し、医師、認定看護師、理学療法士とともに、人工呼吸器を使用している患者さんの病態や安全面の評価を他職種間で行い、人工呼吸器から早期に離脱できるように務めています。
HCU、救急部門業務
HCU、救急外来を兼務で重症患者の対応にあたっています。ME機器の日常点検、始業点検、生命維持管理装置(人工呼吸器、IABP)の使用中点検を行う他、患者急変時のサポートや人工呼吸器使用患者の検査、病棟転棟時のサポートも行っています。 |
手術室業務
周術期チームの一員として、各診療科の手術(腹腔鏡・胸腔鏡・関節鏡・TUR・術中エコーなど)で技術協力を行なっています。脳神経外科領域においては神経モニターリング、外科・泌尿器科についてはロボット手術にも関与しています。また、手術室(7室)が円滑に機能できるように、麻酔器やモニタ・電気メスなど日常的に点検を行い、安全な医療が提供できるように努めています。 |
心臓カテーテル関連業務
循環器内科において、心臓カテーテル検査(冠動脈疾患、弁疾患、先天性疾患など)の確定診断などを行う時の解析及び監視業務を行っています。当院では、年間約500例(カテーテル検査、PCI)の検査及び治療が行われており、全ての症例に関与しデーター管理をしています。経皮的冠動脈形成術などの治療には、血管内エコー(IVUS) プレッシャーワイヤー、アシストなどの操作も行っています。IABP、CCOカテーテル、テンポラリーペーシングカテーテルなどを挿入した患者には毎日点検・記録を行い安全性向上に努めています。緊急カテーテル検査、治療に対しても当直体制で対応しています。
アブレーション関連業務
平成20年9月から機器の更新に伴い、アブレーション治療の件数も増えています。解析装置・アブレーター・スチームレーターなどの操作も行っています。平成26年9月から不整脈専門医が勤務し件数は増加しています。3Dマッピングシステムを導入し操作も行っています。 |
ペースメーカ関連業務
心臓の伝導障害によりペースメーカを植え込む前に行う心臓電気生理学検査からペースメーカ植え込み時の心内電位・閾値・リード抵抗測定・プログラマーの操作も臨床工学技士が行っています。植え込み後のペースメーカ外来は毎月第1、第3土曜日にペースメーカ外来(専門)で検査を行って、そのデーター管理などの一連の業務もCE部門で行っています。 |
ラジオ波関連業務
転移性肝癌や肝細胞癌等の治療に用いられるラジオ波焼灼療法(RFA:Radio Frequency ablation)は、平成18年1月に厚生労働省から、高度先進医療の施設基準の中に、臨床工学技士の配置が明記されました。当院においても、同年2月よりRFA治療が導入され、臨床工学部として関与し患者さんの安全確保、使用機器の準備、出力の調整、操作者の介助、治療経過、データーベースの作成等をチーム医療の一員として行っています。 |
医療ガス安全管理業務
医療ガス安全管理委員会の基、医療ガス保安管理技術者の有資格者がアウトレット設備、シャットオフバルブ設備、酸素器具、吸引器具の定期点検とガス庫(液化酸素、圧縮空気製造装置、吸引装置、窒素、笑気マニホールドシステムの安全管理に努めています。 |
血液浄化業務
腎センターは、外来エリア48床、入院エリア13床の計61床で構成されています。透析を安全に行うために透析装置のメンテナンスや透析液の水質管理などを主として従事していますが、穿刺、返血やバイタルサインチェック等も行なっています。その他、病棟で透析を行う場合や24時間以上かけて透析を行うCHDF、血漿交換や腹水濃縮など特殊血液浄化療法全般に従事しています。
各種委員会活動
臨床工学部では院内の各種委員会に積極的に参加して様々な分野で活躍しています。主な委員会は、安全管理委員会(医療機器安全管理責任者)医療ガス安全管理委員会(実施責任者)・感染対策委員会・災害対策委員会・救急・HCU委員会・呼吸ケアチーム委員会・手術室会議・広報委員会・日本DMATなど
取得資格
資格 |
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呼吸治療関連専門臨床工学技士 |
3学会合同呼吸療法認定士 |
血液浄化関連専門臨床工学技士 |
透析技術認定士 |
心血管インターベンション技師 |
不整脈治療関連専門臨床工学技士 |
臨床ME専門認定士 |
医療機器情報コミュニケータ |
認定医療機器管理臨床工学技士 |
認定集中治療関連臨床工学技士 |
医療ガス安全管理者(旧医療ガス保安管理技術者) |